手の跡が残る仕事。
八女・福島の町家に工房を構え、木の家具やカトラリーなどを作る國武秀一さん。「久留米で訪れた、あるカフェの空間に魅せられたのが、この道に進むきっかけです。その後、その店を手がけた建築家に師事し、見よう見まねで家具作りを始めました」と、脱サラをして家具作りを学んだという。「私が作るのは工芸品ではなく日用品、〝使いやすく〟が一番ですね。ただ、手の跡が残るような品が好きなんですよ」と、効率は悪くもノミと木槌を巧みに扱って手作業で仕上げた商品には、確かな温もりがある。「ヘタクソなもんでね(笑)。こだわりすぎるよりも自由に作ることを心がけていますよ!」と國武さん。ここには、小手先の技術だけでは作り得ない、いなせな品がある。
「整っていない、均一じゃない、なんてところにも良さがある気がするんです」と國武さんが語るように、手彫りの一筋一筋が残る、味わいのある木のカトラリー。2000円くらいからオーダーを受けている
工房は見学可能だが、商品の購入は基本的に要オーダー。カトラリーなどは、八女の『うなぎの寝床』や石釜の『梅屋』などでも販売している